【イベントルポ】自治体DX展に共同出展

2025年7月2日(水)〜4日(金)、東京ビッグサイトにて5回目となる「自治体DX展」が開催された。「自治体DX展」とは、自治体・官庁・公共機関向けのデジタル化を推進する「DX・デジタル化」「DX人材支援」「業務効率化」「セキュリティ」などの展示会。NTTデータ、コンカーと合同でセッションとブース展示を行った。
3日間にわたって開催された「自治体DX展」は、展示出展347社、来場者数21,342人。この領域への関心の高さを物語る賑わいを見せた。展示ブースでは「自治体の『裏方』を、もっと強く、もっと賢く」をテーマに、来場者へ自治体・官庁・公共機関のデジタル化を推進するソリューション群を紹介、その1つとしてSAP Concur®を紹介した。
「自治体DX展」の最終日、7月4日(金)には「旅費法改正対応!経費精算システム【SAP Concur】導入による業務改革 〜福井県導入事例に学ぶ〜」をテーマに、出展社セッションを開催。株式会社NTTデータ システムインテグレーション事業本部 課長 小笠原 学氏、株式会社コンカー 公共営業部 部長 長谷大吾氏と株式会社NTTデータ・ウィズ デジタルストラテジー事業本部 部長 水野 敏明が登壇した。
■NTTデータが提供する多種多様なサービス
NTTデータではERP導入を中心とした事業を展開し、導入後のデータ活用、サポートを提供している。その主力ソリューションのひとつが、間接費領域のDXソリューションSAP Concurだ。小笠原氏は「NTTデータは、コンカー社と日本初のパートナーマネージドクラド(PMC)契約*を締結し、当社の多様なソリューションとの組み合わせやグループ会社との連携により、最適なサービス提供を可能としています」と話し、福井県のSAP Concur導入事例を紹介することを伝えた。
*パートナーブランドとしてConcur Professionalライセンスの販売およびお客様へConcur Professionalライセンスと連携ソリューションを一括して提供することが可能となる契約。
■SAP Concur導入と旅費法改正は自治体における業務改革の好機
コンカーはこれまで民間企業向けにシステムを提供しており、国内シェアは約44%を誇る。中でも大手企業のうち69社に採用され、アメリカでは連邦政府全省庁での導入実績もある。「2024年9月に国内データセンターを立ち上げ、ISMAP認証も取得したことで、自治体への提供が可能となり、福井県様にご契約いただきました」(長谷氏)
民間では自治体に先駆けて旅費専用システムが普及していた。一方、自治体では従来の旅費制度を長く踏襲してきたが、今年4月の法改正により変化が生じている。これまでは法改正がないと規定変更ができない構造が省令ベースに変更されたことで、柔軟な対応が可能に。また、定額制中心だった制度も、現在はキャッシュレスデータ等の証明手段の進化により実費精算へ移行している。加えてAIによる価格変動、ダイナミックプライシングにも対応できる仕組みも求められるようになった。
「改正の3つのポイントは、旅行命令様式の廃止、定額制から実費精算への移行、旅行者以外による支払いの容認です。これにより、コーポレートカードや代理店による一括支払いなどが認められるようになりました。この改正は国家公務員が対象ですが、多くの自治体が同様の規定に準拠しているため、各自治体の規定見直しにも影響があると考えられます。定額制では出発前に費用が確定し、旅行命令、申請、承認、審査、報告という流れでしたが、実費制では宿泊費等の証明が必要になり、申請書作成や領収書のチェックなど、職員・審査側ともに負担が増えます。弊社の旅費システムでは、こうした実費精算を前提にした仕組みが整っており、各自治体の規定に基づくロジックを設定でき、申請時には自動チェックが行われるため審査の工数も大幅に削減されます」(長谷氏)
■福井県の導入事例はモデル自治体になり得る
コーポレートバックオフィス領域から業界固有の事業領域まで、幅広いBPO実績を有するNTTデータ・ウィズは、2025年4月、NTTデータマネジメントサービス株式会社と株式会社NTTデータ・スマートソーシングを統合して設立。2015年からコンカーのアジア初のアウトソーシングパートナーとして、自治体・大手企業向けのSAP Concur導入、システム連携プログラムの開発、BPOをワンストップで提供してきた。
福井県では国内旅行や外国旅行を対象とした経費精算システムを導入。「福井県様では、『Concur Expense』を中心モジュールとし、旅行命令機能の『Concur Request』、予算管理の『Concur Budget』、高度な分析ツールである『Business Intelligence』を包括的に契約し、SSOでのログインを実現しました。また、オープンプラットフォーム機能により、交通系ICカードや法人カードとの連携も可能で、今後の利用拡大に対応できる基盤を構築しています」(水野)
導入スケジュールとしては、2024年6月から旅費システム再構築業務としてSAP Concur導入プロジェクトを開始。事前準備、要件定義、テスト、本番稼働の各フェーズを経て、2025年4月に本番稼働を達成した。福井県側では、審査指導課、会計課、人事課、議会局総務課、県警本部会計課、教育庁教職員課、県立病院など、県の旅費業務に関わるキーマンがプロジェクトに参加し、横断的な推進体制を構築した。
「プロジェクトのポイントは、旅行命令から旅費精算までの一連の業務を実費精算前提で再構築することでした。従来の経路・金額・各種手当の事前入力を簡略化することで、事前申請の負荷を軽減しました。また、同一地域内旅行についても、実費精算を基本とすることでシンプルな旅費精算を実現しました」(水野)
「今回の再構築業務は、法改正に対応するというだけでなく、『変えるチャンス』と捉えることが重要だと感じました。また、制度の理解と現場への丁寧な対応も両輪で必要になると思います。制度が変わると、現場では必ず戸惑いや疑問が生じます。そのとき制度やルールを押しつけるのではなく、現場が納得して進められるような工夫が重要になると感じています」と小笠原氏はまとめ、3社の取り組みにより自治体や企業のサポートをしていきたいと話し、セッションを終えた。
旅費法改正とクラウドソリューションの導入は、自治体のDX推進に大きな影響を与えることを「自治体DX展」の3日間を通して確信しおり、NTTデータ・ウィズは今後も、NTTデータ、コンカーとの強固なパートナーシップにより、旅費精算業務分野のデジタル化成功を実現、自治体のDX推進を進めていく。