経費精算の承認フロー例3選|よくある課題や解決方法についても解説

「経費精算の承認に時間がかかる」「経費精算を悪用した不正リスクが気になる」といった課題を抱えている企業は少なくありません。こうした悩みを解決する手段として有効なのが、適切な承認フローの設計です。

申請された経費精算の種類や金額に応じ、承認ルートを決めておけば支払いまでの遅延や悪用を防げます。本記事では、承認フローの具体例3つと課題や解決方法を紹介します。

自社の経費精算の承認遅延を解決したい、不正防止や内部統制上の不安を解消したいと考えている方は参考にしてください。

 
経費精算の承認フロー例3選|よくある課題や解決方法についても解説

経費精算における承認フローの例

承認フローとは、申請内容や金額に応じて“誰がどの順番で承認するか”を定めた決裁ルートです。経費精算は主に以下の手順に沿って行われ、それぞれの段階で上司や経理部といった承認者による承認を得る必要があります。

以下は経費申請の基本的な流れです。

  1. 従業員(申請者)
    立替経費をシステムまたは申請書で申請し、領収書を添付する
  2. 直属の上長(一次承認)
    業務との関連性、金額の妥当性、ルール違反がないかを確認する
  3. 経理部(最終確認)
    勘定科目、税区分、証憑不備の有無をチェックし、支払処理へ進める
  4. 支払(振込)
    給与と同時、または別途指定日に精算金を支給する

本章では経費精算の申請から承認までのフローの例を3つ紹介していきます。

 直列型 

承認フロー_直列型

シンプルな承認フローであり、小規模から一般的な企業まで採用されている形です。組織の階層に沿った承認プロセスとなっており、直線的でわかりやすい反面、承認者が増えるとその分決裁に時間がかかり、承認の差し戻しが難しい点も見られます。

また、承認に適した人物を指名して承認を行う指名型のフローもあります。直列型は、専門的な判断が必要な案件に有効ですが、属人化を招く恐れがある点に注意が必要です。

そのため、組織の規模や案件の重要度に応じて、別のフローと使い分け、滞留を防ぐための代理承認ルールなどを設けることが重要です。

並列型

承認フロー_並列型

並列型は、1つの申請に対して、複数の承認者が同時に承認を行う形のフローです。同時に行うことで直列型のように承認者の数が増えても決裁にかかる時間を短縮できます。

一方で、承認フローが複雑になり、調整しにくい点がデメリットです。似たタイプとして、複数の部門の関係者が関わるマトリックス型のフローがあり、多角的な承認が必要な際に選ばれます。

いずれも意思決定の迅速化に寄与しますが、誰が最終的な責任を負うのかを明確に定義しておく必要があります。

条件分岐型

承認フロー_条件分岐型

条件分岐型は、金額や申請の内容に応じて承認ルートが分かれる形のフローです。承認の滞留を防ぐため、金額によって承認者を分けている点が特徴です。

例えば申請する経費の金額が5,000円未満の場合、申請者 → 上長 → 経理という承認フローになりますが、5,000円以上〜50,000円未満の場合、申請者 → 上長 → 部門長 → 経理というフローに代わります。

高額経費の実承認を厚くすることで、統制と柔軟性の両立が可能です。また、条件は企業ごとに変えられるため、申請者や経理にストレスのない経費精算につなげられます。

さらに、システム上で分岐を自動化すれば、申請者がルートを判断する手間やミスも排除できます。物品購入や接待交際費など、項目ごとに細かく条件を設定すれば、より強固なガバナンス体制の構築が可能です。

少額が多いなら条件分岐型、関係者が多いなら並列型、判断者を明確にしたいなら直列型が基本です。次章では、承認が遅くなる原因別に改善策を解説します。

 

経費精算の承認フローのよくある課題

経費精算の承認フローのよくある課題を5つ紹介します。

  • 承認ルートが複雑・長すぎる
  • 承認基準が人によって異なる
  • 承認プロセスが属人化している
  • 紙・メールベースで進行状況が不明確である
  • 経理部門への負担が集中する

順番に解説していきます。

承認ルートが複雑・長すぎる

複数の承認者やルートが設定される大企業によく見られる課題です。承認者が課長、部長、役員など多層に設定されているフローでは、どこか一人でも対応が遅れると経費精算全体が滞留します。

出張や会議が多い役職者が承認者の場合、確認が後回しにされやすく、申請から支払いまでに想定以上の時間がかかるケースが多いです。

また、数千円程度の少額経費であっても高額経費と同じ承認ルートを通す設計では、承認作業そのものが機能しにくくなります。申請内容によっては承認のための承認が増え、重要な申請に十分な注意が払えなくなるという非効率が生まれるでしょう。

さらに、承認遅延が常態化すると、申請自体も後回しになりやすく、経理業務全体に悪影響を及ぼします。

承認基準が人によって異なる

承認者ごとに確認ポイントや基準が明確に定められていないと、同じ内容の経費申請であっても、ある上長は問題なく承認し、別の上長は差し戻すといった事態が発生します。

承認基準のばらつきは、申請者の大きなストレスです。結果として、「何が正解なのか、わからない」という不信感を招きます。

また、不要な修正や説明対応が繰り返される原因になり、フロー全体の不安定化や承認者自身の判断基準のブレにつながり、確認作業に余計な時間がかかってしまいます。承認基準が明文化されていないと、業務効率だけでなく組織全体の統制にも悪影響を及ぼしかねません。

このような事態を防ぐには、具体的なチェックリストの共有や過去の否認事例の蓄積により、判断の平準化を図るべきです。

承認プロセスが属人化している

特定の上長や管理職しか承認できない承認フローでは、その人物が不在の場合に経費精算が完全に止まります。出張、休暇、繁忙期などが重なると、承認待ちが常態化し、申請から精算までのリードタイムが大幅に延びます。

属人化した承認体制は、代替要員が機能せず、業務が個人に依存するリスクを高める点も問題です。承認権限の集中は、その人物の業務負荷を増大させ、確認の質が低下する可能性もあります。

結果として、承認フローが組織のボトルネックとなり、全体の生産性を下げてしまいます。対策として、代理承認の設定や合議制の導入など、権限を分散させる仕組み作りが不可欠です。

また、クラウド型システムの通知機能やモバイル対応を活用し、場所を問わず迅速に判断できる環境を整えることも有効です。

紙・メールベースで進行状況が不明確である

紙の申請書やメールによる承認フローでは、申請が現在どの段階にあるのかを把握しにくいという課題があります。

「誰の承認待ちなのか」「すでに承認されたのか」がわからず、申請者や経理担当者が都度確認の連絡を取らなければなりません。

本来不要なコミュニケーションが増え、業務時間が浪費されます。承認漏れやメールの見落としによる停滞も発生しやすくなるでしょう。進行状況が可視化されていないフローは、責任の所在も曖昧になり、トラブル時の原因特定を難しくします。

また、過去の承認履歴を追うのにも多大な労力を要するため、監査対応の遅れや内部統制の脆弱化を招く恐れもあります。デジタル化によるステータス管理を導入し、リアルタイムで進捗を共有できる環境作りが急務です。

経理部門への負担が集中する

承認フローが曖昧なまま経理部門に回ってくると、経理担当者が実質的な最終判断者になってしまいます。

そのため、単なる確認作業にとどまらず、「この経費は妥当か」「承認は十分か」といった判断を経理が背負うことになり、工数や心理的負担が増加します。

差し戻し対応や申請者への説明が増えれば、月次処理や決算業務に影響を及ぼすでしょう。
承認責任が前段階で整理されていないフローは、経理部門に過度な負荷とリスクを集中させる構造的な問題を抱えています。

 

経費精算でスムーズな承認フローを実現するには

経費精算の承認フローで滞留や属人化、紙・メールによる進行状況の不透明さなどの課題がある場合は、クラウド型の経費管理基盤SAP Concurの導入が有効です。

Concur Expenseを用いれば、経費の申請から承認、精算までを一元的に自動処理でき、手動の転記や差し戻し確認の手間を大幅に削減できる仕組みが整っているほか、モバイルや外出先からでも申請・承認が実行できるため承認スピードの向上にも寄与します。

NTTデータ・ウィズでは、こうしたコンカー導入の要件定義から設定・運用支援までワンストップでサポートし、既存システムとのデータ連携や社内定着まで伴走するサービスを提供しています。

複雑な承認フローの簡略化や業務負荷の軽減を図りたい大企業様にとって理想的なソリューションです。さらに、規定違反の自動チェック機能により、個人の判断に頼らない強固なガバナンス体制も構築できます。

豊富な導入実績に基づく知見を活かし、お客様の組織文化に即した運用プロセスを共に創り上げます。

 

まとめ:承認フローをデジタル化して経費精算の効率を高めよう

承認フローには直列型や並列型、条件分岐型などの種類があります。こうしたフロー設計が適切でない場合、階層構造による停滞や属人化、基準の不透明さ、紙ベースの管理といった課題が生産性を阻害します。

これらを解決するには、プロセスのデジタル化と権限の分散が不可欠です。SAP Concurなら自動チェックやモバイル対応で業務を効率化できます。NTTデータ・ウィズが提供するSAP Concur導入・運用支援サービスの詳細は、以下のサイトをご覧ください。

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